入院患者・家族の気持ち


【終末期、叉は、自分で意思表示出来ない重篤患者さんの場合】

一般的に、病院に入院すると、患者は実に様々な我慢と、忍耐を強いられる事になります。
ただでさえ体調が悪く、気分もすぐれなかったり、時には痛みを伴う場合があるのに。。。。

例えば、病室はプライベート空間が個室を除いて、ありません。
ベッドを囲むカーテンは、処置等がない場合、通常は、管理の為に開けておくようにと言われます。
1人で泣きたい時、ホッとしたい時もあるでしょうに。。。。
食事はどうでしょう。
好きな時に、好きな物を食べるという訳にはいきません。
ただでさえ食欲のない時でも、おしきせの物を食べざるを得ません。
義母が骨折で長期入院した時(この時義母は、ターミナル、終末期ではありませんでしたが)、嚥下障害が強くありました。
刻み食、またはミキサー食は用意して頂けましたが、ゼリー食はありませんでしたから、水分補給、服薬、他カロリーを補うのにゼリーが必要な義母の為に、給湯室で、お茶、高カロリー流動、ジュース等のゼリーを、私自身が毎日作っていました。

他にも、病院、病棟の都合で、いろいろとスケジュールが組まれていますから、ターミナルステージの方や、自分で意思表示出来ない程重篤な患者さんの中には、スケジュールに合わす事が苦痛な患者さんも、いらっしゃることでしょう。
例えば、シーツ交換、掃除、お茶・食事の配膳、検査、清拭等、本人の都合に関係なく行なわれる事も多く、重症者になればなる程、その悪いタイミングが負担に感じられるものです。

また、早朝から採血、検温、血圧チェックと始まり、点滴etc.
その度に、「○○さん」と、眠っている患者さんをわざわざ起こし、声かけ。
日中眠り過ぎて、夜間不眠になるのを防ぐ、あるいは、日中はなるべく目覚めていた方が良いという、固定観念にとらわれている場合も、あるかもしれません。
体力低下の為、他、病状によっては、日中浅眠傾向が続く場合もありますから、一律の声かけは、かえって苦痛になることもあります。

他にも、お年寄りには、皆さん、大きな声で声かけしがちですが、義母は耳は悪くありませんでしたから、比較的元気な頃から、大きな声での話し掛けには、閉口していました。

義母の最後の入院中は、あまり意識もはっきりしない状態でしたし、素人にも、もう家には戻れない事がわかる程の状態でした。
そんな中、看護婦さんによる呼び掛けには、義母はとても、とても驚き、一度、ベッドから10cmも飛び上がり…(上がったように、私には見えた!(笑))、けいれんが起こり、しばらくおさまらなかった事がありました。
その為、私は、寝ている義母の胸に『私に、話しかけないでね!!びっくりして、けいれんするので。。。』と、大きく紙に書いて、貼っておきました。(笑)
また、毎日何度も入る、アナウンスにも毎回びっくりし、落ち着けず、可哀想なくらいでした。

病院は、治療や看護を効率よく行なう為に、患者さんの個々の欲求や権利などを、軽視し過ぎてはいないでしょうか?
特に、死期が迫っている臨死患者さんには、特別な配慮やシステムなど、もっと検討すべき点があるのではないでしょうか?
患者さん個人、個人の状況や、ニーズをよく把握した上で、個人に合わせたきめ細かなケアを、ターミナルステージの患者さんには、提供して頂ければと、思うのですが…。
もっとも、医療スタッフの方々は、充分配慮しているし、また人数的な事、忙しさ等から、これ以上は難しいとお考えかも知れませんが…。

今後は、医療スタッフ、家族、両者にとっての「良いケア」「良い看取り」についても、考えていかなくてはならないような気もしています。

H.14.2.3 記

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